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韓国環境公団の資料によると、太陽光廃パネルの再利用処理量は2023年の552トンから2025年には1,328トンへ増えた。ところが同じ2025年に資源回収実績として報告されたガラスは6,583トンで、処理した廃パネルの重さの約5倍にのぼる。公団は、民間の処理業者が太陽光パネル以外の廃ガラスも合算して報告した可能性を指摘している。回収量が伸びているという成果の裏で、何がどれだけ回収されたのかを正確につかめていない実態が浮かんだ。

引用元: 韓国の太陽光廃パネル再資源化で回収実績の把握に不備(The Segye Ilbo)

分析・見解

ガラス6,583トンが示す、あり得ない数字の正体

まず単純な計算から始めたい。太陽光パネルの重さの約6割から7割はガラスである。つまり1,328トンの廃パネルを処理しても、取り出せるガラスはおよそ900トン前後にとどまる。報告された6,583トンはその7倍を超える。技術の進歩で説明できる差ではなく、集計の対象がずれていると見るのが自然だ。

公団が疑うのは、建築用ガラスや車両用ガラスなど別の廃ガラスが混ざって計上された可能性である。同じ処理ラインで複数の廃ガラスを扱う業者なら、帳簿上で区別しにくい場面は十分にあり得る。

制度が重さを測る仕組みに偏っている

この種の再資源化制度は、処理した重さや回収した資源の重さを実績として積み上げる方式が多い。重さは測りやすい。しかし、どの製品から出た資源かまでは重さだけでは分からない。

実績が補助金や事業者の評価、再資源化率の目標達成に結びつくほど、数字を大きく見せたい動機が働く。悪意がなくても、分類の曖昧さが水増しに近い結果を生む。ここが制度設計の弱点である。

日本の制度にとっても他人事ではない

日本でも2030年代後半から2040年前後にかけて、寿命を迎えた太陽光パネルが急増すると見込まれている。環境省の推計では、年間の排出量が数十万トン規模に達する見通しだ。

日本は韓国に比べて処理業者の数が多く、地域ごとに扱い方も違う。回収量の定義が事業者ごとに揃わなければ、全国の合計を出しても意味が薄くなる。さらに、ガラスだけでなく銀、銅、シリコンといった価値の高い資源をどれだけ取り出せたかが、事業の採算を左右する。重さ中心の指標では、この差が見えない。

注目すべきは、数字の質が事業者の選別基準になること

今回の件の独自の見どころは、不正確な実績が表に出たことで、今後は正確に記録できる事業者が有利になる点だ。

廃パネルの受け入れ時に型番と重量を記録し、工程ごとに取り出した資源を測り、出荷先の伝票まで追えるようにしておく。この地味な作業が、行政の監査や発注元の評価で差になる。技術力だけでなく、記録の信頼性そのものが商品になる時代に入ったといえる。

ビジネスへの影響

発注する側が確認すべき記録の中身

発電事業者や自治体が廃パネルの処理を委託するときは、処理量だけを見て業者を選ぶのは危うい。確認したいのは三点である。受け入れた廃パネルの重量と型番を記録しているか。工程ごとに回収した資源の量を測っているか。出荷先の伝票まで追えるか。

この三点がそろわない業者の再資源化率は、数字が高く見えても信頼しにくい。契約書にも、実績報告の根拠資料を提出する条項を入れておくと後で役に立つ。

処理業者は記録の精度を差別化に使える

処理業者にとっては、今回の件は逆風であると同時に好機でもある。受け入れから出荷までを記録し、第三者の確認を受けられる体制を整えれば、大口の発電事業者や大手メーカーの案件を取りやすくなる。

バーコードやタグで廃パネルを一枚ずつ追う仕組みは、導入費用がかかる。それでも、ESG(=環境や社会への配慮)を重視する投資家向けの報告で、数字の裏付けを求められる場面は増えている。早めに整える価値は高い。

再資源化率の目標を鵜呑みにしない

行政の目標や業界団体の公表値をそのまま事業計画に使うと、実態とのずれで収支が狂う。特にガラス以外の有価物の回収量は、定義が曖昧なまま推計されがちだ。事業計画では、自社の実測値を基準に置き、公表値は参考にとどめるのが安全である。

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